【第7回・最終回】もやもやしているあなたへ――最後のメッセージ

キャリアストーリー

「自分の信念さえ貫けば、絶対に報われる」

長い連載も、いよいよ最終回です。最後に、かつての私と同じ場所にいるあなたへ、心を込めてメッセージを送ります。

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転職という選択肢について

最後に、少しだけ私自身のことを話させてください。

私は、転職を2回しています。今の日本は、転職を推進する社会になっています。転職エージェント、求人サイト、さまざまなサポートがある。「同じ会社にしがみつく必要はない」という価値観が広まっています。

私は、その価値観を否定しません。給与を上げるために、より活躍できる環境を求めるために、転職するのは正当な選択です。

私自身、転職したことで、最終的に自分の力を最大限に発揮できる環境に出会えました。3社目の会社で、26年かけて役員になれた。転職してよかったと、今は思っています。入社してから転機が訪れるまで長い年月がかかりましたが、その分、それ以降は人にも恵まれました。一緒に働く人々で、人生は大きく変わります。 それは実感として言えることです。

ただ、一つだけ伝えたいことがあります。

転職先でも、どこに行っても、自分の「信念」は持ち続けてください。

環境が変わっても、自分が大切にしていることは変わらない。疑問を持ち続けること、誠実に仕事をすること、諦めずに提案し続けること。その信念があれば、どんな場所でも、いつか必ず花開く時がきます。


今いるポジションでも、可能性はある

転職が全ての解決策ではない、ということも伝えたいことです。

今いるポジションで、心構え次第でキャリアは拓けます。

「評価されない」と感じているなら、「どうすれば評価されるか」を考える。「やりがいがない」と感じているなら、「どうすればやりがいを作れるか」を考える。「この仕事は私には向いていない」と感じているなら、「では何なら向いているか」を考える。問いを持ち続けることが、次のステップへの扉を開きます。

事務員だから、昇進できない。女性だから、管理職になれない。そういう思い込みを、一度手放してみてください。

前例がないということは、あなたが前例を作れるということです。

中小企業の女性事務員が役員になる前例が、私の会社にはありませんでした。でも今は、あります。あなたの会社にも、今はないかもしれない。でも、あなたが作れるかもしれない。それは可能性ではなく、現実になりえることです。

一般事務員であっても、昇格のチャンスは必ずあります。重要なのは、昇格を「待つ」のではなく、「準備する」こと。今の仕事で最大限の成果を出し、改善提案を続け、周りから信頼されること。その積み重ねが、機会が来た時に「この人に任せよう」と思ってもらえる土台になります。


上司と部下に挟まれた、あなたへ

中間管理職の悩みは、本当に深いものがあります。

上司の方針と部下の不満の間で板挟みになる。自分の意見を言えば「でしゃばり」と言われ、黙っていれば「リーダーシップがない」と言われる。全力でやっているのに、誰にも認められない気がする。「もうやめようかな」という気持ちが浮かんでくることがある。

私も、そういう時期がありました。

でも、中間管理職という立場は、ある意味でとても重要な立場でもあります。現場も見えて、経営も見えている。その両方を知っているのは、中間管理職だけです。

現場の声を経営に届け、経営の意図を現場に伝える。その橋渡しができる人間が、会社を一番支えているのです。

悩んでいる時間も、無駄ではありません。その悩みが、あなたを深くしていく。深い人間だけが、やがて組織のリーダーになれます。今は苦しくても、その苦しさは必ず糧になります。


あの頃の自分へ、そして、あなたへ

最後に、あの頃の自分に言ってあげたい言葉を書きます。

「転職して良かった。入社してから転機が来るまで長かったけど、それ以降は人にも恵まれた。やはり一緒に働く人々で運命が変わるけど、それでも自分の信念だけは貫けば絶対に報われる。よく頑張ったね、私」

これが、私が一番伝えたいことです。信念を持ち続けること。疑問を持ち続けること。諦めないこと。そして、一緒に働く人を大切にすること。

「企業は人なり」という言葉を、私はこれからも大切にしていきたいと思っています。


読んでくださった、あなたへ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この連載を書きながら、私は何度も昔の自分を思い出しました。地方の事業所で、誰にも気づかれないまま、一人で書類を整理していたあの頃。反対されながらも提案書を書いていたあの頃。孤独を感じながらも、「絶対に諦めない」と心に決めていたあの頃の自分を。

あの時の私に、「役員になっているよ」と言っても、きっと信じなかったと思います。でも、それは現実になりました。

特別な才能があったわけではありません。コネがあったわけでもありません。ただ、疑問を持ち続けて、提案し続けて、諦めなかった。それだけです。

この文章を読んでいるあなたも、同じことができます。いや、あなたにはきっと、私が持っていなかった才能や強みがある。それを信じてほしい。

私がこの連載で伝えたかったことを、一言でまとめるなら、こうなります。

「中小企業の一般事務員でも、夢と目的を持って働き続ければ、役員になることはできる」

でも、それよりも大切なことがあります。役員になることがゴールではないということです。

私は、役員という肩書きを目指して26年間働いたわけではありません。ただ、「もっとよくしたい」「この問題を解決したい」「誰かの役に立ちたい」という思いで働き続けた結果として、今の立場があります。

あなたのゴールも、「昇進」ではないはずです。あなたが本当にやりたいことは何か。あなたが貢献したいと思っているものは何か。その問いに正直に向き合いながら、今日の仕事に臨んでほしい。その姿勢が、いつかあなたを思いもよらない場所へと連れて行ってくれます。

もやもやしている日も、孤独を感じる日も、ある。それでも、疑問を持ち続けてください。改善を提案し続けてください。信念を曲げないでください。

どうか、自分の可能性に蓋をしないでください。もやもやを、力に変えてください。 その一歩が、未来のあなたを変えるかもしれません。

今日も、お仕事お疲れ様でした。明日も、一緒に頑張りましょう。


執筆者:中小企業 元一般事務員・元役員

――全7回の連載を、最後までお読みいただきありがとうございました。

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