ある支店の営業社員に、ゲームが好きな社員がいました。聞こえてくるのは、課金しすぎて「今月やばい!」という言葉でした。
ゲームを否定はしないけれど、正直、自己管理ができない子ぐらいの温度感で私は見ていました。
実は、IT系にとても強かった
ただし、これはその子のほんの一部分で、実はIT系に強い子だということが分かりました。社員の携帯電話やパソコンの買い替えの際、渡す前に初期設定をしなければならず、その社員はいつも設定の手伝いに駆り出されていました。
ある時、たまたま帰りが同じ時間になり、駅まで一緒に歩いたことがあります。そのとき、IT系に強いなら会社のシステム担当になってくれない?ちゃんとその分の手当がつくよ、と打診してみました。反応は満更でもなく、すぐさま社長に報告しました。IT系のシステム担当は、どこの会社も喉から手が出るくらい欲しい人材です。まさか、その人材がすでに会社にいたとは。
もはや「オタク」だった、自宅のパソコン
後日、システムのちょっとした打ち合わせがあり、その後、会食をすることになりました。そのとき、ゲーム好きのその子の自宅パソコンの写真を見せてもらいました。なんと、単なるゲーム好きではなかったのです。もはやオタク。モニターが数台、家にゲームのシステムがしっかり構築されていました。びっくりしました。私はゲームというから、単純にスマホでやっているものだと思い込んでいたのです。
その社員は営業社員でしたが、正直、営業として会社に貢献しているかと言ったら「ノー」でした。入社して数年経った時に「1年間の予算を立てる意味がやっと分かった」とその社員は言ったのです。では、今までの数字はどのように捉えていたのか?目標の数字は無視だったのか?それにしても普通は恥ずかしい話ですが、屈託なく素直に話すのです。
才能を活かしきれなかった、もったいなさ
性格はすこぶる良い社員でしたが、数字に関してはすこぶるダメな社員。会社として、社員の使い方(語弊を恐れずに言えば)を間違えると、とんでもない方向に行ってしまいます。その社員はシステムを担当することになりましたが、本業はあくまで営業のままでした。
私としては、もったいない社員だなと今でも思います。営業としてよりIT系の才能を活かすべきだと常々思っていましたが、口には出しませんでした。
もし今、わたしがIT系の事業を立ち上げるとしたら、真っ先にその子に声をかけるかもしれません。それだけ可能性を秘めた社員だったからです。
執筆者:中小企業 元一般事務員・元役員


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